2011年1月11日 『お風呂』
寒い季節になるとお風呂がありがたい。
一日の汚れを洗い流すと同時に疲れも癒してくれる。しかし、高齢者にとっては様子が違うようだ。
以前、青梅に入院していた祖母がこんなことを言っていた。
「お風呂が疲れてしょうがない。家にいた時は週1回入れば充分だったが、ここでは週に2回も入る。疲れて具合が悪くなりそう。」
当時の私はこれを聞いて驚いた。私は一日入らないだけでも気持ち悪いのに、と。
人間、75歳を超えてくると生活が一変してくるようだ。たしかに患者様をよく見ていると、頭や体が一日でベトベトしてくることや汗臭くなることはあまりない。
私達の仕事の難しさは、自分が達したことのない年齢の方をケアするところにある。
高齢になった時の自分が何を感じ、心地よいのかは想像の世界である。だから、患者様を日々よく観察し、寄り添うことで患者様から教えて頂くしかない。
私達にとっての常識は通用しないということを肝に銘じ、高齢者にとって心地よい生活を考え続けることが高齢者ケアのプロフェッショナルを目指す私達の務めであろう。