2012年7月20日 『子供達の絵』
先日、青梅慶友病院にて「海を超え支えあう子供たち展」というアートイベントが開催され、世界中の子供の絵八十点余りが院内各所に展示された。
当院ではこれまでも患者様の生活を豊かに彩ろうと様々なアートを院内に飾ってきたが、患者様の興味をひく作品をそろえるのはなかなか難しい。
好みは様々であり、長い人生の中で目の肥えた患者様も多いとなると、更にハードルは高くなる。見飽きないよう入れ替えるとなれば、数も必要で費用もかかる。
一方、世界中から集められた子供達の絵は上手い下手という次元を超えて、子供が持つ生きるエネルギーに溢れている。
さらに色彩や絵柄は各国の文化を色濃く映し、これまた面白い。そんな魅力もあってか展示では多くの患者様が絵に見入り、一緒に見て回るご家族様との間には楽しげな会話が生まれていた。どんな世界の名画を飾ろうとこうはいかないだろう。
世界の子供達の絵が人生の最晩年を生きる患者様にエネルギーを注いでいる。
そんな光景に命の循環の不思議を感じたのは私だけではないに違いない。