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2020年冬『お庭だより』

2020年2月13日(木)

節分も過ぎ、暦の上では春とは言え、青梅のお庭はまだ冬景色です。

色あせた葉ボタンと野鳥の群れ、昼でもとけない霜柱、、、

それでも気をつけて見れば公園入り口の桜の木の下にスノードロップの小さい白い花。柿の木のあたりにはアーリーセンセーションという名の超早咲きのラッパ水仙が色づき出しています。陽が良くあたる場所にはスミレやクロッカスが咲き出しているかもしれません。

遊歩道では白梅よりずっと早くに咲く紅梅がつぼみをふくらませています。

やはり春は近づいてきているのです。

 

 

理事長コラム『一枚の写真』

2020年2月13日(木)

先日、実家で偶然一枚の写真を見つけた。

家族で撮った昔の旅行写真で、中学生の自分とともに若い父や母も写っている。
懐かしさについ見入ってしまったが、しばらくしてあることに気がついた。
年を数えると写真の中の父は、ちょうど今の自分と同じ年齢ということになる。
しかし写真に写る父は、当時の自分が抱いていた印象とは異なり、意外なほど若々しく見えた。
さらに髪形は幾分違っているものの、顔つき体つきが今の自分とそっくりであることに驚いた。

たった一枚の写真でも、懐かしさや意外な発見があり、忘れていた楽しい思い出を運んで来てくれる。
当院が患者様との写真撮影の機会をたくさんご用意したいと考える理由もここにある。

ところがその写真撮影も、「いつでもどこでもご自由に」とは言いづらくなってきた。
SNSなどネット上に公開された写真から思わぬ被害にあってしまったとか、ただ写りこんだだけでトラブルに・・などというニュースを耳にすることも多い。
当院でもヒヤッとするような経験がないわけではない。

本音を言えば写真くらいは余計なことなど考えず撮りたいし撮っていただきたい。
でもそうとはいかない世の変化に寂しさを感じつつ、ルール作りに着手している。

 

2019年秋『お庭だより』

2019年11月11日

 

 

 今年のお庭は不測の事態の連続でした。

 桜が終わった頃から一気に気温があがり、早咲きチューリップ、遅咲きチューリップ、ボタン、ひなげし・・・と順々に咲くはずの花がいっせいに咲き、あっという間に終わってしまったのです。

 そして7月。
 長期の低温と日照不足でヒマワリの半分が枯れてしまいました。

 8月になると今度は極端な酷暑続きで、残っていたヒマワリも種の機器を感じたのか、50~60cmで花芽をつけ、背丈もあまりのびないまま咲いてタネになってしまいました。

 秋のコスモスもなぜかひ弱で心配していましたが、なんとかコスモス畑といえるようになりホッとした次第です。

 このように気候がはげしく変動するようではリスクを分散する方法を考えざるを得ないかと思うこの頃です。

理事長コラム『強力な援軍』

2019年11月11日(月)

 

 病院を舞台にした、いわゆる医療モノはテレビや映画、小説にまんがと、物語として根強い人気がある。

 医療の世界は多くの人にとって身近でありながら非日常でもあり、創作に打ってつけの題材なのだろう。

 私も興味をもって見るのだが、実際の医療現場から見ると、あまりに現実離れしているものもある。すると、途中から「誤った印象が広まるのでは」とモヤモヤし始め、エンターテイメントとして楽しめなくなってしまうのは仕事柄か。

 青梅に勤務する渡辺由貴子医師が作家・南杏子として活躍されていることはご存知の方もいらっしゃると思うが、その持ち味はエンターテインメント性と良心のバランスにある、と感じている。読み手を創作の世界に引き込みつつも、医療の現場を熟知しているからこそのリアリティが裏づけにあるから作品が品性を失わない。

 医療や介護に関わる立場からすると自分たちの仕事が、分かりやすく、しかも誤解なく世の中に伝わるということはとても嬉しいことである。当院にとどまらず医療界にとっての強力な援軍、と言ったら言い過ぎだろうか。

 さて、今回の慶友たよりでは南先生に読み切り小説を書いていただいた。あくまでもフィクションであるが、医師としての実体験を背景にした南先生らしい心温まる作品をお楽しみいただきたい。

 

 

2019年夏『お庭だより』

2019年8月8日

 夏の気分を一気に盛り上げてくれるのはやはりヒマワリです。

 ヒマワリは丈夫で育てやすい花ですが、タネ播きから20cmぐらいに育つまでは気づかいが必要です。

 まずはタネにしっかり土をかけて見えないようにする事。
さもないと、ふり返るとハトがついて来ていて播いたタネを食べていたりします。
無事に芽が出てきたら小さいうちは二度ほど草取りをして、芽がまわりの草にうもれないよう気をつけます。

 ここまできたら後は天候まかせ・・・雨が多ければ背が高くなりますし、日光にめぐまれれば大きな花が咲きます。

今年はどんなヒマワリになるか楽しみです。

理事長コラム『親子の距離』

2019年8月8日(木)

 現在、青梅に入院されている患者様の約4割が23区内からのご入院である。
決して近いとは言えない青梅を選んでいただき大変ありがたい気持ちと共に、ご家族様のお見舞いの距離を考えるとちょっと申し訳ない気持ちにもなる。

 さて先日、当院でお身内を見送られたご家族様にお会いする機会があった。

 その方のお母様は青梅に数年入院されたのち、よりご自宅に近いよみうりに転院され、そこで旅立たれるまでの数年を過ごされた。その方が意外な一言をおっしゃった。

 「すぐお見舞いに行ける環境も良し悪しですね」

 聞けば、片道1時間以上かかる青梅には週一回、予定を決めて足を運んでいたとのこと。
一方よみうりは自宅からすぐの距離。近くなって良かったと、数日とあけず通うようになった。
そのうち少しでも時間ができると「いま行った方がいいのかしら・・」と何をしていてもお見舞いの使命感が頭から離れない。
さらに青梅のころは「遠いのに悪いねえ」と感謝を口にされていたお母様が「近くなったのに中々来ない」と愚痴を漏らすようになってしまったのだという。

 きっと親子には、それぞれに「ちょうど良い」距離というものがあるのだろう。

 青梅とよみうり、ふたつの慶友病院がご家族様にとって「ちょうど良い」距離の選択肢となれたら嬉しい。

2019年春『お庭だより』

2019年5月13日(月)

1月末の紅梅の開花からはじまった春のお庭も
桜が散る頃からは目まぐるしく次々と花が咲き春らんまんとなります。

花の開花時期はその年の気候によるところが大きく、
温暖化のせいか年々予測が難しくなってきているのが実状です。

特に4月末から5月にかけてのボタンの開花予測は難しく、
咲いた花も雨、風、暑さに弱く、良くて2週間、
お天気のめぐり合わせが悪いと1週間で盛りを過ぎてしまいます。

 

遊歩公園中央の41株のボタン。

満開に出会えれば、それは幸運強運です。

 

 

理事長コラム『留学生』

2019年5月13日(月)

この春から4人の留学生を受け入れている。

きっかけは、病院の将来像を議論したことに始まる。

今のところ良き人材に恵まれている当院も、
到来しつつある深刻な人手不足社会と無関係ではいられない。

そこで、今のうちから広い視野で可能性を探っておきたいと考え
昨年フィリピンを訪れた。

驚いたのはフィリピンの人々の家族に対する思いの強さ、
そして若い女性の働くことへの熱意であった。

高齢者ケアという仕事との相性、
そして当院が大切にするサービスマインドとの親和性は予想以上に高そうだ。
そんな好印象を持っていたところに優秀な学生とのよいご縁もあり、
まずは留学生として受け入れることからスタートした。

さて、新たな試みが始まって数週間、
さっそく嬉しいエピソードが聞こえてきた。
世話役の職員とともに手続きに郵便局を訪れたときのこと。
待合室でお年寄りに席を譲る彼女たちのあまりに自然な振る舞いに、
職員はもちろん居合わせた周囲の方々までもが感心し、
思いがけなく会話の輪が広がったそうだ。
また研修中の素直で一生懸命な姿にふれ、周りの職員が初心にかえると言う。

留学生である彼女たちから、私達もまた学ぶことが多いと気づかされている。

 

2019年冬『お庭だより』

2019年2月21日(木)

 

1月中頃から2月にかけては1年で一番寒い時期です。

広葉樹は葉が落ち、12月に植えた葉ボタンも寒さで色あせてしまいます。

そんな中、楽しませてくれるのが野鳥です。
当院では野鳥を呼び寄せようと、ヒマワリ種、ムキエ、くだもの等を
中庭や遊歩公園のあちこちに置いています。
タネ類を脂で丸くかためたファットボールは人気のエサです。

中庭に来るのはハト、スズメ、シジュウカラ、メジロ、ヒヨドリですが、
外のお庭には小さいエナガ、ヒガラ、ヤマガラ、大きいムクドリ、アカハラ、オナガが来ます。
キツツキの仲間のコゲラ、アオゲラ・・運が良ければコサギやアオサギ等、思いがけない鳥に出会えるかもしれません。

理事長コラム『髭剃り』

2019年2月21日(木)

現場から「男性患者様の髭をもっときれいに剃りたい」との声があがった。

髭は個人差が大きい。
濃さや硬さ、生えている向き、皮脂の多さ、肌の状態など人それぞれ。
これに、肌のたるみや頬がやせてシェーバーが密着しにくいという
高齢者ゆえの難しさも加わる。

そこで、まず取り組んだのが電気シェーバーの検証である。

使いやすく性能の高いシェーバーはないか。
院内の男性職員に愛用品を聞いて回ったところ、
T字カミソリ派と電気シェーバー派に二分され、
さらに電気シェーバー派も使用機種は十人十色。
皆、色々と試した結果、お気に入りの一台にたどり着いたということも興味深かったが、同時に誰もが文句なく使いやすい万能なシェーバーはなさそうだということが分かった。

次は髭剃りの「技術」に着目した。
考えてみれば多くの女性にとって髭剃りは未知の領域であり、
「剃られ心地」となれば尚更であろう。
となると学ぶしかない。
ということで髭剃りの手引きを作成し、
男性職員にモデルを依頼して髭剃り研修を実施している。

女性のほうが長生きのせいか
高齢者施設において少数派の男性はなんとなく肩身が狭そうだ。
髭剃りのように、少数派の男性が快適に過ごすためにはまだ工夫の余地がある。

 

 

2018年秋『お庭だより』

2018年11月6日(火)

前半の少雨、後半の酷暑にもかかわらず、
今年のヒマワリは丈も高く花も大きく咲いてくれました。

その後に開花してきた黄花コスモスともども度重なる台風にも耐えて
期待したとおりの出来ばえだったのは、うれしいかぎりです。

コスモスも9月の時点では順調に育っていて満開が楽しみですが、
これから・・というときに大風が吹いてたおれてしまったりするので油断がなりません。

最後まで無事に咲ききることを祈るのみです。

 

 

理事長コラム『不思議そうな顔』

2018年11月6日(火)

先日、ある一般企業から数名の方が見学にいらした。

病棟など院内各所の見学を終え、
当院の患者様の9割が認知症を患っていると話したところ
みなさん一様に不思議そうな顔をした。

院内で多くの患者様を見かけたが、どの患者様も
認知症を患っているようには見えなかった、と。
その方によれば、これまで認知症のイメージといえば、
不安そうな顔で歩き回っている。風貌は着ているものがなんとなく汚れている、
寝癖や着崩れがある。
そういうものだと考えていたとのこと。

残念ながら現時点で認知症への特効薬は存在しない。
となると私たちができることは何だろう。
認知症への理解を深めることから始め、
消えゆく記憶の中で生まれる不安を少しでも和らげる受け答えや、
安心していただける雰囲気づくりをする。
きちんと髪をとかし、お化粧を手伝い、似合った服を着ていただく。

これまで続けてきたそのような取り組みを
更にレベルアップしたいという想いで、
ここ数年、あらためて認知症への対応力向上のための職員研修に力を入れている。

現場職員の細やかな対応の積み重ねが、
先だっての見学者の「不思議そうな顔」につながったのならとても嬉しい。

2018年夏『お庭だより』

2018年7月24日(火)

 

昔は夏になるとどこの庭にも咲いていた百日草・・・

一昨年から遊歩公園と西花畑に種を蒔いてみたところ、
日当たりと風通しの良い場所さえ見きわめれば虫もつかず良く咲きます。

昨今はジニアと呼ばれることが多くなりましたが
昔ながらの<百日草>という名前が好きです。

 

7月頃から10月まで100日以上も次々と花を咲かせ、
花自体も100日とはいきませんが、ひとつの花が二週間以上咲き続けます。
秋口になると背丈は間延びしてきますが花色は一段と冴えてきます。

一気に咲いて終わってしまうヒマワリに対し
ずーっと咲き続ける百日草は夏花壇の強い味方です。

理事長コラム『看る力』

2018年7月24日(火)

阿川佐和子さんと当会会長の対談が
『看る力 アガワ流介護入門』として刊行された。

きっかけはこの『慶友たより』での連載を相談したことに始まる。
お父上をよみうりランド慶友病院で看取り、
今もご自宅でお母様の介護をなさっている阿川さんに、
「これから介護や看取りに向き合う方々にとってヒントになるような連載を・・・」
とお願いしたところ、
「大塚先生との対談なら面白そう!」と、
自ら出版社にも声をかけてくださり、
一冊の本となって世に出されることとなった。

 

しかし、さすが170万部ベストセラー『聞く力』の阿川さん。
対談では私ですらはじめて聞く話が引き出され、

「イライラしたら笑っちゃおう」

「介護は長期戦と心得よ」

など印象的なフレーズも生まれた。
また、親を看る子の気持ちに気づかされることも多く、
プロとして高齢者ケアに携る私たちにとっても学び多き一冊になった。

 

日本ではこの先、
これまで以上に多くの人が「親の介護」に向き合わねばならない。

阿川さんらしい明るさとユーモアに溢れた介護入門本である本書が

「どうせ看るなら少しでも明るく」、

そんな風潮のきっかけとなれば嬉しい。

 

理事長コラム『普段着の生活』

2018年4月27日(金)

先日、骨折手術のため2泊3日の入院を経験した。

その病院では病衣と下着を貸してもらえるとのこと。

「荷物が少なくて便利だなぁ」と病室に入ったのだが、
いざ病衣を前にするとどうにも着る気になれない。

着替えた瞬間から「病人」然とした姿になり、それだけで気分が滅入る。
 逡巡の末、「まあ、周りも着ているから」と着てみたのだが、
とたんにベッドの上で過ごさねばならないような気分になってしまった。

当院では25年ほど前に患者様の普段着への着替えに取り組み始めた。
 着替えは高齢者にとって関節の曲げ伸ばしや筋肉への刺激になり、
拘縮予防の効果が大きい。

また、認知症の患者様には夜と昼、静と動の意識を
切り替えるスイッチとなることもわかり、
出来るだけ普段着でお過ごしいただこうと
多くの人手をかけてこの取り組みを続けてきた。

さて退院の日、
病衣を脱ぎ、シャワーを浴び、普段着に着替えた。

そのときの解放感。

 ついさっきまでと体調や痛みが変わったわけでもないのに、
背筋は伸び、やる気が満ちてきた。

理屈はともかく「普段着の生活」は
患者様を元気にする第一歩なのだと、身をもって知ることとなった。

 

2018年春『お庭だより』

2018年4月27日(金)

今年の冬はここ何年も経験したことのない
きびしい寒さが続いたことで多くの被害が出ました。

ミカン、甘夏ミカン、キンカン等、ユズ以外の柑橘類は
常緑であるはずの葉が枯れ、樹木自体の復活もおぼつかない状況です。

なんとも残念なのは
秋に発芽し順調に育っていた菜の花がほぼ全滅してしまったことです。

生き残ったのは潅木が霜除けになっていた所と
完全自然栽培で根が深く張っていた所のみです。

菜の花の跡地にはミックス種のエリアから
ヤグルマギクを移植したり、春マキ種を新たにまいたりしてあります。

来年は生き残った菜の花から種を採取して最強の自家種で再度挑戦です。

 

2018年冬『お庭だより』

2018年1月6日(土)

冬は野鳥の季節です。

夏はつがいで過ごしていた鳥も、冬は群れで移動します。

スズメぐらいの大きさの鳥が群れているのを良く見ると
頭の黒いシジュウカラにまじって、
そっくりでひとまわり小さいヒガラや小さく白っぽいエナガがまじっていたりします。

うぐいす餅みたいな色で落ち着きのないメジロや
大きくて水色の羽と黒い頭のオナガも
中庭や遊歩公園にエサを求めてやってきます。

木の幹に縦にとまって、のぼったりおりたりしているのは
キツツキの仲間のコゲラやアオゲラです。

時には池の魚をねらって、コサギやアオサギも飛んできます。

あたたかくして公園まで足をのばすとめずらしい鳥に出会えるかもしれません。

 

理事長コラム『お正月の思い出』

2018年1月6日(土)

誰しも子供時代のお正月の思い出があると思う。

我が家の大晦日は小石川にある祖母の家に行くのが恒例だった。
いつも昼過ぎには着くのだが、父は挨拶もそこそこに
数百枚はある書き残しの年賀状の束を抱えて二階の部屋にこもり、
亡くなった祖父の机で書き上げると郵便局の最終受付に駆け込んでいた。

一方、私は書道の達人であった祖母から
「宿題の書初めを持っておいで」と言われていた。
悪筆の私は祖母の前で習字をするのが嫌でしかたがなかった。
そんな私を見抜いてか、筆を持ち、
極限まで脱力した私の手を祖母が力強く上から握り、書く、というやり方で
宿題を手伝ってくれた。

かくして出来上がったほぼ祖母作の見事な書初めは、
冬休み明けの教室に貼られるのだが、なんともバツが悪かった。

そんなことを思い出すと祖母の手と柔和な顔が浮かび、温かな気持ちになる。

当院には毎年お正月に千名を超えるご家族様がお見舞いに訪れる。
最近はお孫様、ひ孫様まで四世代が集ってのお見舞いも多く、
持ち込みのおせちを囲んだ楽しげな光景が広がる。

お見舞いに来てくれる大勢の子供たちにとって、
当院でのお正月が温かな思い出になりますように。

 

 

2017年秋『お庭だより』

2017年11月1日(水)

 

菜の花、ポピー、ひまわり、コスモスは種から育てる花です。

畑を耕す事からはじまり肥料を入れ、
種を蒔き、草取りをして・・・
と様々な行程を経て開花に至ります。

その生育は、秋蒔きの菜の花、ポピーで6~7ヶ月、
ひまわり、コスモスは3ヶ月と長期にわたるので、
その間は思わぬ天候不順に一喜一憂する事になります。

特にコスモスは猛暑の8月の種蒔き、
ひでり、大雨、台風、今年のような日照不足等、
一年で最も変化の激しい時期が育成期なので、
無事開花し最後まで美しく咲き続けることが出来た年は
一年のすべてが上手く行ったような安堵感につつまれます。

 

理事長コラム『一緒の喜び』

2017年11月1日(水)

和菓子の老舗、とらやさんから、新しい発想の羊羹が発売された。

材料と風味はとらやの羊羹そのままに、
硬さは27分の1という商品で、
開発にあたっては当グループも少しお手伝いをさせていただいた。

季節のイベントなどでは、
とらやのお菓子をお出しする機会があるが
そんな折、患者様とご家族様からは、
過日ご一家でお祝いしたハレの日の思い出話が自然に溢れ出す。

日本人にとってそんな特別なお菓子を作り続けているとらやさんに
「最晩年に寄り添える羊羹」はできないものかとお願いしたところ、
3年の歳月をかけ『やわらか羊羹「ゆるるか」御膳』を開発してくださった。

「高齢者のための商品」ではなく、
「ご高齢になってもご家族と一緒に楽しめる商品」との
とらやさんの想いを伺い、深く感銘を受けた。

一緒に見る、食べる、感じるなど、
大切なひとと「一緒に」楽しむ時間は人生の喜びの一つだろう。

しかし、年をとったり、体が不自由になったりすると、
それまでは当たり前だった「一緒に」が少なくなってしまう。

新しい羊羹にはその喜びを取り戻す力があるように思う。

お子様やお孫様、ひ孫様まで
「一緒に」とらやの羊羹を楽しむひとときは、
まさに私たちが目指してきた
「豊かな最晩年」の1シーンとなるに違いない。

 

 

2017年夏『お庭だより』

2017年7月29日(土)

秋に種を蒔けば春に咲くナノハナやポピーと異なり、
夏のヒマワリと秋のコスモスは
咲かせたい時期から逆算して種蒔きをします。

発芽から50日で開花がめやすですが、これがなかなか難しいのです。

ヒマワリは8月初めに満開になるように
5月中頃に種を蒔きますが、
発芽までの日数が地温や降雨に大きく左右されます。

 

短日花のコスモスにいたっては
日照時間が長いうちは発芽がつかず
丈ばかりどんどんのびるので、
8月まで待って種蒔きをしますが、
暑さと乾燥で発芽も悪くなります。
これまた降雨だのみです。

夏の盛りにヒマワリの満開が合致するか。

10月中旬にコスモスがほど良い丈で咲いてくれるか。

毎年の事ながら心配せずにはいられません。

理事長コラム『働き方改革』

2017年7月29日(土)

 

高齢者介護の業界は長らく人手不足に悩まされてきた。

当院も例外ではなく人材確保には苦労してきた歴史がある。

 

私たちの主戦力は女性であり、
それぞれ家に帰れば妻や母、娘としての役割が待っている。

勤務日を希望できる仕組みや2週間の連続休暇制度、
残業ゼロへの取り組みなどはどれも職員確保のための工夫の産物である。

その結果、平均勤続年数は看護師11年、介護職員10年と
業界の平均を大きく上回る現状となっている。

 

質の高い人材こそが質の高い医療介護サービスの源であるが、
良い待遇なくして質の高い人材の確保は難しい。

更なる良き待遇に向けて多様な働き方を許容し、
慶友版「働き方改革」を進めようとしているが、簡単ではない。

例えば、同じ地域のお母さん職員が多いので
子供の学校行事や土日には休みの希望が重なる。

一方、患者様のお世話は24時間365日待ったなし。
「出勤者が少ないから食事介助は明日に」というわけにもいかず、
病棟師長は勤務組みの苦労が絶えない。

 

人手不足が加速する近い将来も
「豊かな最晩年」を支えるためにどう改革を進めるか。

職員と一緒に知恵を絞っていきたい。

 

 

 

理事長コラム『百寿者』

2017年4月28日

 

2016年の調査によると我が国の100歳以上の人(百寿者)が
6万5千人を超えたという。

調査が始まった1963年にわずか153人であった百寿者は
この50年で6万人以上増えたことになる。
さらに今から13年後の2030年には
現在の4倍強の27万人に達すると予測されている。

以前、百寿者のある女性患者様と話していたときにこんなことがあった。

「孫はかわいいものよ。孫が見舞いにきてくれるのが何よりも嬉しいの」
となんとも嬉しそうにおっしゃるので、微笑ましく思い
「お孫さんおいくつですか」と尋ねた。
すると「今年で定年だから60になるかしら」とのこと。

よく考えてみれば、子は80歳代で孫は60歳代でも不思議はないが、
孫と定年という単語がどうも結びつかない。

百年生きてきた人にはきっと私たちとは全くちがった景色が見えているに違いない。
現在当院で過ごす百寿者は両院合わせて29名。
それぞれの毎日をお過ごしになっている。

百年を超える人生の総仕上げをお任せいただけることを誇りに思うと同時に、
増え続ける百寿者を支えるには更なる知恵が必要と感じる。

 

 

2017年春『お庭だより』

2017年4月28日(金)

花壇の植えかえは春を迎えるための大事な作業です。

毎年3月には葉ボタンを抜き、
チューリップの芽に気をつけながらパンジー、ヴィオラ等を植え込みます。

ところが近年この時期にパンジーが入手しにくくなりました。

冬越しできるように改良され、
主に秋に出荷されるようになったためです。

とは言え、パンジーは三色スミレという和名のとおり
春の代表花のスミレの仲間です。

秋には咲いてほしくないなあと言うのが正直な気持ちです。

遊歩公園の花壇は植えかえを主に構成されています。

これからも季節に季節の花を咲かせるように
心がけていきたいと思っています。

 

 

『先生の教え』

2017年2月13日

当院に入院してきた点滴や胃ろう、経管栄養の患者様の中には
水分過剰の状態にある方も少なくない。

水分過剰になると心臓への負担は増え、むくみの原因にもなる。
さらに皮膚はもろくなり、分泌物が多くなる。

点滴の量を減らしたとたんに
これまで患者様を苦しめていた痰が
うそのように少なくなることもしばしば経験する。

私たちがお世話をしている85歳を越える超高齢者の特徴は、
個人差が大きいこと、
水分不足と過剰の間の「ちょうど良い」範囲が狭いことである。

一般的には成人が一日に必要とする水分量は最低1500mlと言われているが、
実際の高齢者には500mlで充分な場合もあり、
それぞれの患者様をよく診て、皮膚の状態や痰の量、活気など、
細かな全身の変化から推し測るしかない。

そしてこれこそが高齢者ケアのプロの技である。

この未知の領域においては
目の前の患者様こそが私たちにとっての先生である。

これまで当院に身を任せてくださった
多くの先生からいただいた教えを
世の中に伝えていくことも
私たちの大切な役割である。

2017年冬『お庭だより』

2017年2月22日(水)

毎年購入していた菜の花の種を4年前から自家採種に切りかえました。

市販の野菜種は同じ畑に播き続けると育たなくなります。(連作障害)
自家採種をくり返す事で連作障害や病虫害に強い
その地に合った固定種に育て直す事が出来ます。

種は自家採種7年で固定されると言い、
今年の菜の花は慶友育ち4代目です。

西花畑は入口の通路の右側は堆肥の入った土ですが、
左側は今注目の自然栽培で、種の力のみで育っています。
育ちが悪いように見えますが更に丈夫な種になるようスパルタ特訓中です。

あと3年で慶友病院オリジナルの菜の花種が完成します。

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